不謹慎かもしれないが、上げておく
Re:DVD・TV放映用映画雑記別館
« 返信 #7 投稿日: 11月 24, 2007, 01:16:00 午前 » 引用 修正 削除
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過疎ってきましたか
やっぱのっけから『鬼ママを殺せ』なんて殺伐としたタイトルの作品紹介したのが失敗でしたかね
んじゃ、ちょっと趣向を変えて…
『東京原発』
主演・役所広司をはじめ、段田安則、平田満、岸辺一徳、益岡徹、塩見三省と名だたる名優が出演したにもかかわらず、内容が内容だけに日本中の映画館の大スポンサーである電力会社の逆鱗に触れたくないために、上映を拒否されまくったといういわくつきの作品。おそらく、テレビで放映されることは無いでしょう。
役所広司扮する直感型政治家の天馬知事(余談ですが、役所広司って手塚治虫『鉄腕アトム』の天馬博士に似てません?なんかキャラかぶる…)が、突如『東京の都心に原発を誘致する』って政策を電撃的に発表するところから物語が始まります。
天馬知事の主張は
「原発を誘致すれば国から交付金がもらえ都の財政が好転する上に、都心に発電所があれば電力不足の解消になる…」
ことですが、実は彼の真意は他にあります。
しかし、知事の主張を真に受けた副知事津田(段田安則)は、原発の危険性を主張し知事に翻意を迫ります。
そこで天満知事は原発反対派、賛成派双方の意見を聞き判断を下すという決断を下し、双方から有識者が参加し、その侃侃諤々の議論がなされるわけですが、その過程で国の推し進める原子力政策の矛盾を風刺した、ブラックユーモアサスペンスです。
特に印象深いのは、原子力安全委員松岡扮する益岡徹。勿論原発賛成の意見を陳述するんですが、「(地震等天災による)事故の危険性」に対する答弁台詞は秀逸。
「日本の原発は安全です。仮に事故を起こす確率を問えばそれこそ天文学的数値になるでしょう(もちろん具体的数値は表さない)」
賛成派、反対派の意見陳述の過程で、日本の原子力政策の矛盾点が明らかになっていく、そんな物語の展開ですが…
ちなみにネットで『東京原発』で検索すると、
http://www.engy-sqr.com/watashinoiken/iken_htm/ogasawara_tokyogenpatu.htm↑で、よせばいいのに作品の科学的矛盾点を事細かに解説、原発の有意性をを声高に主張しておられます。
『東京原発』の面白さは、国から多額の交付金を貰いつつ原発の安全性を声高に主張し、いざ事故が起きればそれを隠匿しようとする電力会社の悪弊とその矛盾を痛烈に風刺したところにあります
科学的根拠はどうであれ、そこまで安全が確保されている原発に対し、なぜそれを受け入れる自治体に巨額の交付金を落とすのか。それほど安全なら、なぜ原発が都心でなく地方ばかりに建てられるのか?
特に新潟沿岸は常に北の工作員が自由に行き来する海域ですから自然災害よりよほどテロルの方が怖い気がしますが…