わいわいフォーラム「鉄盟団」
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投稿者 スレッド: 寝台新幹線D306次乗車記  (参照数 2043 回)
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Borgen
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« 投稿日: 12月 29, 2008, 10:07:55 午前 »

 12月27日から28日にかけて、上海~北京を走るD306/5次に乗車した。「はやて」をベースにした時速200キロのCRH2Eは、中国語で“動臥”と呼ばれ、ご存知の通り、08年12月21日のダイヤ改正時にZ列車に代わる新たなビジネス客利用の輸送機関として登場。在来のZ列車は他局へ移った。
 この列車が登場後、中国の各メディアは「ファーストクラス並みの乗り心地」と絶賛しているものの、割引をしてもZ列車より231元高い730元は正直利用客を厳しくセレクトしているようで、乗車率はいまいちだ。
 切符は上海にいるDAYUAN先生に買ってもらう。ピンク色の磁気切符にうっすら印刷された文字は、意外にもあっさりしている。これで自動改札を通るわけではないため、磁気切符の導入の意味がいまいち良くわからない。そういえば、上海駅で動車組用の自動券売機専用建物を建設していたが、年内の完成はムリだろう。

 軟席候車室に向かったら、表に堂々と、D302次とD306次は駅舎正門から入って第1候車室へ行くようにとの信じられない看板を目にした。「なんだよ、730元も出させて差別ですかそうですか」とトライもせず、民工連中に混じり第1候車室へ行ったが、後で同室の人に聞いたら、普通に軟席候車室は使用できたそうだ。チクショー。
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« 返信 #1 投稿日: 12月 29, 2008, 10:09:14 午前 »

 発車30分前に改札が始まる。この列車は21:41に上海を発車し、翌7:40に北京に着くダイヤとなっているため、乗車時間は9時間59分。10時間表記にしても変わらないのだが、鉄道部はこの辺、9時間台の方が都合がいいと考えているのだろう。
 ホーム上には青帯が横に入った例の白いやつが停車をしている。入り口で乗務員は立っておらず、好きな場所から乗車が可能。乗車の際の煩わしさがまたひとつ解消された。荷物を置いて、先頭車まで行く。史上最高にダサいフロントフェイスは中国側のアルミ合金加工技術がないことを世界に暴露してしまった知的財産権デザイン。隣にはD302次が停まっており、小雨も降っているため、2両並んで暗闇に不気味な顔を浮かせるある意味、オバケ面という表現にピッタリだ。真夏の深夜の車両基地探索肝試しに最も似合う出し物だろう(笑)。
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« 返信 #2 投稿日: 12月 29, 2008, 10:10:40 午前 »

編成は、
←北京:2等車(16)+軟臥(15~9)+食堂車(8)+軟臥(7~2)+2等車(1)上海→の16両編成。

 待合室にいた乗客の大半は2等席が目的で、ガラガラの軟臥とは違い、こちらは満員御礼だったようだ。
 さて、次は軟臥である。英語略表記は“WR”。そして車体の軟臥車文字の下には、“Sleeping Car”のルビと、ここまで表記が不統一されている車両も珍しい。この寝台は片扉を潰して、4人部屋を10部屋増やした40名定員。乗務員室は置かれておらず、反対の連結側にトイレ2ヶ所と洗面台(チベット鉄道の車両と同じ横置き)がうまくスペースを利用して設置している。この辺の間取りのよさは日本車並みだ。
 しかし、通路に設置下窓の高さと、個室内のベッドの高さはお世辞にも高いとはいえず、下段と上段の差は、25T型の軟臥より10センチ低い。また、上段と天井は屋根が低いため、20センチ低い感じ、さながら国際列車で使用されている硬臥包っぽい。また、通常の軟臥にある天井の荷物スペースもないため、床下に置くしかない。さすがにこれはう~んかな? 個室内にはミネラルウオーターペットボトルがサービスとして4名分置かれており、また、ベッドには液晶モニターが、周辺には室内灯や音量調節などの機器類があるが、操作性はいまいちだ。
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« 返信 #3 投稿日: 12月 29, 2008, 10:12:59 午前 »

 同列車は21:41の定刻に発車。京滬線の線路基盤がしっかりしているのも手伝って、動きは滑らか。揺れが少ない点も好ポイント。上品にいうなら絹のような滑らかさだ。また、気密性が高く、余分な雑音が車内に漏れてこないため至って静か。すっかり夜となった上海から江蘇省の中を進んでいく。乗務員が部屋に来て切符のみを確認。明日の到着時間と部屋の設備利用方を説明していった。乗務員はおそらく列車長を含めて最大4名。人数が少ないにもかかわらず、テキパキと仕事をこなしているのは、さすがにプロといったところだ。車内チャイムは日本の新幹線と同じだから、日本にいる気分だ。

 食堂車へ行ったが、さすがに夜遅い発車のため、ただの見学。「夕食を食べた後にゆったり乗車できる」という遅いダイヤなのになぜ食堂車があるか考えると矛盾を感じずにいられないのだが、その辺は雰囲気を楽しめなのだろう。しかし、乗客もほぼゼロ。まるまる1両食堂車だが、カウンター奥には厨房は見当たらず、シンクと大型冷蔵庫が確認できたため、ここで提供されるメニューは恐らく電子レンジで加熱されたものだろう。部屋に戻ったらすでに消灯していた。時計を見ると23時近く。こっちもすぐに寝た。それにしても静かで揺れの少ない寝台は実に快適だ。

 翌朝7:00に乗務員が起こしにきてくれた。目覚めが遅かったため朝食目的の食堂車利用は断念。列車は北京南を過ぎた辺りから減速し、そのまま北京に進入。到着時間も定刻の7:40。時間の正確さは見事だ。
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« 返信 #4 投稿日: 12月 29, 2008, 10:17:11 午前 »

 この列車の感想だが、デザインと価格と狭さがマイナスポイント。ただし、乗り心地は文句なく、ファーストクラスという表現にピッタリ。しかしながら、前者の3マイナスを改善しない限り、この列車の乗車率が伸びるとは思えない。天津西停車も追加させれば伸びも上がると思うのだが、この辺の考慮は全くないのだろうか? Z列車からいわれているように「ハードは1流、サービスは3流」という定説は続いている。優秀な車体と乗務員とそろえても、それ以外の要素が欠けているなら一流とは呼べない。将来、北京~広州などでも寝台新幹線を導入するようだが、運行体系、価格体系を見直し、列車サービスに付加価値を見出さない限り、航空機との競争には到底勝てないだろう。
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