25K型
●車両の特徴
1998年から投入が開始された特快用の160km/h対応の汎用客車です。25KのKは快速(KuaiSu)の頭文字から採っています。
160km/h対応車ということで車体は従来の25型と同寸法ながら、ブレーキ装置、台車関係は25Zと同等のものを採用しており、25Z型の長距離対応バージョンということができます。
比較的短距離の運用から、2泊3日以上かけて走る超長距離運用まで幅広くこなすべく、客車は硬座、軟座、硬臥、軟座の全てのタイプが作成されているほか、それまで国際列車にしか連結されていなかった2名1室の高級軟臥車(高包)もこの系列で初めて登場しました。
登場時から現在に至るまで頭にTを冠した特快列車を中心に運用され、中国全土で見ることができる形式の一つになっていますが、後継の25T型が登場したことで現在では製造が打ち切られており、今後25T型やCRHの増備が進んでいくとともに次第に特快運用から離脱していくことが予想されます。花形の特快運用についている姿を見られるのも、ひょっとしたらあと数年、なのかもしれません。
●運用区間
T(特快)列車を中心にほぼ中国全土。
●軟座
RZ25Kは軟座車両ながら、生産された台数は極めて少ない。そもそも軟座そのものは短距離用の客車なため(Z列車の北京~上海・杭州に使われている25T軟座は論外)、既に登場しているすし詰め式2階建て客車で用が足りた。また派生系のSRZ25Kが登場すると、より多く乗客を乗せることができるため、こっちに生産をシフト。さらに動車組(主にDL・1999年開始)の生産投入などにより、本来使われるはずだった、25Kの軟座の活躍の場は当に失せていた。そのため、見れる地域も限定されている。その後、新幹線をはじめとするCRHシリーズの大量投入も控えているため、2008年までに幹線でその姿を見ることができるか分からなくなってきた。
軟座の25Kが一番輝いていた時代は、1999年10月のダイヤ改正時。当時、上海鉄路局・南京~杭州、蘇州~寧波でオール25K編成の列車が2本投入された。上海限定のスペシャル客車だった。当時の新聞では(南京~杭州は)紫金号と呼ばれ、豪華な座席に絨毯が敷き詰められている写真つきの記事を見たことがある。
気になる編成は、RZ225K×9、RZ125K×2、RZT25K×1他。二等軟座、一等軟座、特等軟座。
特等軟座は料金なら二等軟座の倍近くするものの、1+2のレザーシート座席構成。他に4人用の個室が2部屋備え、計46人乗車できる。座席そのものは回転こそしないが、リクライニングできるのでゆったりくつろぐことが出来る。
http://www.cccar.com.cn/product_img.asp?nlid=28
しかし、このスペシャル車両も新幹線CRH2の導入により、その存続が危うくなっている。
南京~杭州T729/30次は4月18日で姿を消す公算がでてきている。南京~寧波T739/40次は4月こそ危機を乗り越えるものの、7月のダイヤにその名前を見ることができない。ありきたりの新幹線よりもゆったり寛げる特等軟座。乗れるなら今が最後のチャンスかもしれない。
RZ25K走行範囲。
大連~瀋陽北のT特快
北京~済南のT35次→ダイヤ改正で新幹線になる
北京西~漢口のT79/80次→ダイヤ改正で新幹線になる
RZT25K走行範囲
南京西~杭州T729/30次→4月で終了
南京西~寧波T739/40次→7月で終了か?
(補注) T769/770 として存続、さらに 上海南~寧波 N427/428、上海南~義烏 T779/780にも運用。