ボーゲンひとり言:逆に考えるんだ、これは下書きだって考えればいいんだ…。
料理店の取材で一番行きたくない店が日本料理。
本来なら韓国料理やイタリア料理を紹介したいのだが、奴ら(中国営業)はいつも日本料理の取材を持ってくる。
中国営業から見れば-日本料理は日本人がよく行く=雑誌で紹介されれば広告が取りやすい-と思いがちだが、毎月毎月連れて行かれる私はたまったものじゃない。
行きたくない理由は…
単純すぎる-これに尽きる。
日本人が経営している店はともかく、それ以外のオーナーの経営だとほとんど出されるのが刺身や寿司。
「なに贅沢抜かしているんだ」と非難を浴びそうだが、結局書くことが同じになってしまい(言葉の表現は変えます)、書いている私も馬鹿馬鹿しくなり、投げたくなる時もある。ひと月置きのローテーションならともかく、今入っている4件の料理店紹介のうち3件が日本料理だとホント嫌になる。
しかし、今日行った龍華(深圳市内から北にタクシーで30分、60元前後)にある
東晶日本料理http://www.ts-food.cn/index.aspは違った。
店内左の部屋に入ると、日本人や顧客の写真がこれでもかと貼ってある。
すげぇ!こんなに写真が貼ってあるということはお客さんも相当なもんだな。
それもそのはず、この店の店長(温さん)による、日本のお客さんにおいしい日本料理を食べてもらいたいという努力の結晶が、ここに現れている。
まず出されたのが、鴛鴦福料理(158元)。
主にカップル用や夫婦用に提供される特別メニュー。
アボガドとポテトのあわせをくるんで揚げたエビフライは、アボガドの香りとエビの甘さがマッチしている。
ホタテとホッキ貝にはイチゴ風味のソースがかけてあり、貝の臭みを完全に消している。
牛タン七味(50元)は牛の舌の真ん中部分の肉のみを使用。真ん中の肉はやわらかく、焼いても黒くならないからだという。その上に摩り下ろしニンニクと七味がまぶしてある。ニンニクが牛タンの独特の香りを見事に消していて、さらにピリッと効いた七味は、なんとなくお酒を飲みたくさせる。
最後に出てきた料理はアボガドご飯(45元)。板前長が自ら市場でアボガドを選別して購入というこだわりの逸品。
まず刻みわかめとご飯を一緒に炒め、その上から刻んだアボガドとイクラをまぶして出来上がり。
食べてみると、アボガドとイクラが口の中でとろける感じ。隠し味はしその葉で、ご飯が進んでしまう原因にもw。
もちろん、もう一度食べたい料理のひとつ。
温さんのモットーは「おいしい料理を作るには技術よりも料理に対する愛情が大事」。
そのため、従業員に日本の料理ドラマや料理アニメを見せたり、度々香港の有名日本料理店に連れて行ったこともあるという。
しかも自分自身も料理の勉強をしているというから驚きだ。
「日本のお客様の要求が高いから、その要求に責任を持って応えたいですね」
日本人の気持ちをきちんと理解している温さんの真摯な言葉から、この店の日本料理に対する明るい未来が感じられた。
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