台車にかんして,非常に詳細な資料を見つけたので貼らせていただきます。
http://wenku.baidu.com/view/1db26b09763231126edb1178.html「西南交通大学」の講義資料のようです。そういえばもの後ごろついた直後くらいの小さい頃(95年頃)に,103台車を西安駅で見た記憶が鮮明にあります。今思えば,北部支線の21型客車だったのでしょうか。
6957列車
斉斉哈爾2016発 碧水行き
期待を裏切らない非常にディープな列車でした。
編成は下記の通り。(かっこ)は号車番号。5,6号車を他の列車に貸し出しているようです。RWをつないでいるのは無駄としか(ry 地元患部の意向かな?
斉斉哈爾方向 YZ25B(8)+YZ22リ(7)+YZ22リ(4)+RW25B(加1)+YW22Bリ(3)+YW25B(2)+UZ22(1) +本務機 DF4D 碧水方向
斉斉哈爾出発次点で,だいたい席が埋まるくらいの乗車率。私は4号車に乗車しました。窓は全て鍵がかかっています。斉斉哈爾から各駅に停車してゆきます。途中,九三→朝陽村間は快速運転で,翌朝6時にジャグダチに到着します。現地の人はジャグダチの発音がつづまってほぼ「加,奇」という感じで呼んでいました。斉斉哈爾からジャグダチ間の最終列車の役割を果たしているようで,ジャグダチ到着までの深夜帯の停車駅で結構な人数が降りてゆきます。2時過ぎの大楊樹駅で私の座っている3人掛けシートの隣2人が降りたので,C寝台状態で横になって寝ました。
ジャグダチでふたたび少なくない乗客が乗車します。往復でわかったのですが,ジャグダチにすんでいて,北部の山林の「林場」に通勤する人が多いようです。こちらも,短距離でぽつぽつと降りてゆきます。
ジャグダチ以北は,一面の白樺林と凍てつく大地です。積雪も10センチほどあります。窓のフチが真っ白に凍っています。
この間は,ひたすら人口が少なく,まれに駅の近くに小集落があるという感じで,「鎮」相当の街がほとんどありません。辺境を思わせます。小集落も,挿絵で見るような開拓部落そのままの,丸太小屋の建物と,木の板で適当に打ち付けられた防風壁といったもので,場末感があります。非常にローカルな路線で,駅舎は開業当初からのものが多く,趣があります。行き違い2線しかない駅も少なくありません。また,駅間も非常に長いです。
途中停車した,新天「駅」は,駅舎や離合施設が撤去された「跡地」になっていました。こんな「駅」ですが,じつは漠河-大連の普快も止まるんですね。
10時前に,漠河へと伸びる富西線と,碧水へと伸びる林碧線との分岐駅である林海に到着します。林海で多くの乗客が入れ替わります。乗客は各ボックス2名程度と,あまり多くありません。
林碧線に入ると,スピードががくっと落ち,40キロ程度になります。すぐ目につくのが,並行する道路との踏切が全て無人(もちろん無警報機)であることです。中国では,定期列車の走る路線であれば踏切全てに人がつくのが当たり前ですから,非常にびっくりしました。並行する道路は同様に林海と碧水との間をむすんでいて,かなり高い頻度で線路と交差します。ところが,クルマが1台も走っていないのです。初めてこの道路を走る車を見たのは,100キロも進んだ呼中鎮の街中でのことでした。踏切に人を置かないことでコスト削減を図っているのでしょうか。
10時29分,宏図駅に停車します。
10時50分頃に臨時停車します。旧奮発駅跡だと思われます。
11時17分 40キロポストを通過します。
11時36分 臨時停車します。旧雄関駅跡だと思われます。
11時51分 60キロポストを通過します。
11時57分 呼源駅に停車します。
12時24分 77KP通過,直前にホーム1つ分くらいのスペースにコンクリートの塊が散乱しており,旧蒼山駅跡と思われます。
12時32分 81KP手前で臨時停車します。保線職員と思われる男性が1名乗り込んできて,逆に1名同じような出で立ちの男性が降りてゆきました。会話を聞くと,毎日職員が交代しているそうです。しかし,「職場」は目をこらしても見当たりませんでした。周辺はうっそうとした森,ただ白樺しかない一面の林であり,どこではたして働いているのか実に気になります。袋に入れた赤緑旗,トンカチなどを所持していました。―線路を毎日歩いてみて回っている?列車と出会ったらそこで止めて交代?
12時52分 臨時停車します。旧険峰駅跡だと思われます。ホームの跡などがくっきり残っていました。碧水方向右側に廃止になった分岐線がありました。信号柱が,信号機を外された状態で立っています。
13時11分 呼中に到着します。林碧線沿線最大の駅で,駅舎も新しく,人口数万人ありそうな鎮を形成しています。ほとんどの乗客がここで下車します。
13時34分 定刻に終点碧水に到着します。逆に,碧水は何もないところでした。中国の田舎ローカル盲腸線は,人口最大地から先へもう1駅つくる場合が多い(たとえば,陝西省梅七線,終点前河鎮の手前瑶曲が大きい)のではないかと思いますが,なぜなのでしょう。
以下,気づいたことをとりとめもなく。
○林碧線の閉塞方式が?。駅の前後に必ず鉄道職員の詰める小屋があり,信号旗を掲げていたことからして,もしかして電話を用いた伝令閉塞方式なのでしょうか?よく注意しませんでしたが,信号機を見なかったように思います。
○廃駅がいくつもあるというのはこの路線の特殊性を表しているように思います。辺境で,開発が終わると村が廃れたのでしょうか。
○40キロ強駅間が空く=離合施設がない区間が2つあります。しかも列車のスピードは遅く,およそ1時間半かけてようやく駅間を走行しているので,最大でも片道3時間に1本しか列車を走らせることができないということになります。中国の三江線と名付けてよいでしょう。
○林碧線内,他にすれ違う列車はありませんでした。停留中の貨車さえなく,この路線の将来が心配になりました。
○沿線,線路がはがされた分岐線跡も多数見受けられ,過去の栄華がしのばれました。中国鉄道の中で,「衰退する路線」というのはあまり多くないので,興味深いと思います。
○ネット上の情報によると,以前は国鉄線だったのが,2003年に地方鉄道(黒竜江省鉄路集団有限公司)に移管されているようです。あまり情報がないので推し量るしかないのですが,もしかすると,国鉄サイドから廃線の話が出て,地方が受け持つと言うことで存続をさせたのかもしれません。いずれにせよ,「格下げ」に等しい,地方鉄道への移管は非常に珍しいのではないでしょうか。
参考 黒竜江省物価局の,林碧線については当分の間,国鉄運賃を維持するという文書
http://www.hpin.gov.cn/view/lm0621/article/308402.html○碧水駅に東風4B緑がエンジンを吹かした状態で止まっていました。上述のように,牽引する車両はいっさいありません。もしかして,6957/6958列車の機関故障などに備えた救援用にわざわざ待機させているのでしょうか。
○碧水から先,呼中から先の交通機関は白タクしかありません。しかも,冬季という事情もあるとは思いますが,碧水-塔河(地図上約80キロ)が言い値300元などという高額なので,訪れる方はお気をつけください。
○ネットで検索してみると,「鉄道ジャ-ナル」 39(1), 137-139, 2005-01 に「中国鉄道 林碧線/塔韓線/友宝線を訪ねて 黒龍江省 最果て鉄道紀行」(須田修)というレポートが掲載されているようです。今度あたってみようと思います。
○林海駅に,21型と思われる客車が廃車体,倉庫かなにかとしておかれていました。かなり気になる存在です。
○富西線(ネン江-古蓮)の沿線で並行する高速道路の建設工事が始まっていました。現在の鉄道の不便さ,前時代的な輸送状況からすれば,高速道路が開通すれば,富西線はかなり危なくなるのではないかと思います。
○乗客に聞き取ったところ,現時点では,ジャグダチ以北の地域では,交通の中心は鉄道だとのこと。特に冬場は自動車が全くと言っていいほど使えないそうです。生活が不便だと訴えていました。
○沿線の主要産業は,林業はもちろんですが,鉄道も重要な地位を占めているようです。誰誰が鉄道で上班していて…という会話を車内でおおく耳にしました。とくに,林海が中心地のようです。このへんは,日本の音威子府を思い起こさせますね。
元々は,このあと,折り返し列車でそのままジャグダチに戻り,ジャグダチ22時頃発の古蓮行きの普慢にのって,翌日漠河から大連行き普快に乗車して瀋陽に向かう,という行程を予定していたのですが,景色のあまりの単調さに,率直に言って飽きてしまい,漠河に行くのをやめ,可能な限り早く大興安嶺地区から抜け出して瀋陽に向かうことにしました。