京包蘭B級列車紀行

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銀川に7時前に到着し，そのまま，今回の旅行の目玉の一つである，石汝線のローカル列車に乗車します。きっぷは，銀川駅切符売り場で難なく入手。座席は指定されていますが，実際には，ほとんど関係がありませんでした。

7525次　銀川→汝箕溝

編成は，本務機SS3+8YZ(2号車のみ22型原型，それ以外は全て25B)
銀川から，つぎの順序で各駅に停まってゆきます。

銀川，西湖，芦花代，暖泉，高庄子，西大灘，石嘴山，(停留所)，大武口，枣窝，(廃駅　馬蓮灘)，大「石へんに登」溝，(廃駅　陶斯溝)，呼魯斯太，(停留所)，柳樹溝，白「くさかんむりに及」溝，(停留所)，汝箕溝

石嘴山から先，石汝線に分岐していきます。全体としては，運炭路線のようで，炭鉱が多数立地するとともに，C貨車による運炭列車を多く見かけました。もちろん，実際に走行しているのと離合したのは多くなく，1列車にとどまりました。景気は余りよくなさそうです。沿線は，その他，セメント工場が多数立地しており，典型的な内陸工業地域と見受けられました。

地形的には，大武口を過ぎてからはどんどん山地に入っていきます。奇岩ばかりの，ダイナミックな地形がつらなる地域で，山々に多数のトンネルと小規模な橋で分け入っていきます。木はほとんど生えておらず，岩と礫ばかり目立つ異様な風景がつづきます。道路交通は整備が遅れており，谷線の河床を利用した原始的道路がときおり線路と交差しているのみで，周辺の交通は貨客とも鉄道が中心のようです。それにしても，山中にセメント工場が立地する様は，異様なものを感じさせました。柳樹溝周辺は，一面の草原です。非常に興味深かったのが，この駅から先が，18パーミルほどの勾配となるため，それに備え，この駅のすぐ先に，下山方向からの安全側線が設置されていたことです。また後に述べることとします。呼魯斯太を含め，これより先の駅は，周辺が，家ひとつみあたらない砂漠だったり，山だったり，草原だったりするなど，B級路線の神髄を感じさせました。B級列車を極めるのであれば，この路線はぜひオススメしたいと思います。これほど暇しない慢車も珍しいと思います。

客流としては，呼魯斯太までの移動が多く，ここまでは，乗車率8割ほどを維持していました。呼魯斯太から先は，かなり客が少なくなり，最後の汝箕溝で下車したのは10人程度に過ぎませんでした。

文字よりも，写真が多くものを言うと思いますので，以下，写真をもって長文説明にかえさせていただきます。また，日本に戻って，よつうべに接続できるようになり次第，動画をたくさん撮ったので，それらをUPしたいと思います。


ところで，忘れないうちに，ミニ情報をいくつか。

１　包蘭線，宝中線，銀川周辺はSS3の楽園。多数のSS3が活躍中。優等旅客列車以外はオールSS3とみていい。SS3の活躍を見るなら当地域に行かれることをオススメします。ただし，塗装が剥げ落ちたものばかりで，和谐型なり他のSSへの置き換えが迫っていることを感じさせます。
２　銀川－中衛の慢車7531,7532はSS3+２YZ22リ+YW22原型窓の客車計3両という短編成。もしかしたら，全国版時刻表に載る7582までの列車で最短の編成かもしれません。この列車，今回現地に行って地理感覚をつかんではじめて知ったのですが，太中銀線の西端の二又区間をV字にたどるものなのですね。中衛までの直通客はもちろん，利用客は総じて少ないでしょう。

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1枚目　銀川で出発待ちの車内の様子　短距離の用務客が多いようです
2枚目　石嘴山にて30分程度の停車。
3枚目　本務機SS3　石嘴山にて。
4枚目　石嘴山－大武口間にあった停留所。停車するも，乗降客無し。すぐ発車。

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5枚目　大武口。じつは，石嘴山の中心地はこちら。多くの乗車客がありました。車内はほぼ満席になります。ちなみに，石嘴山駅はもと平罗駅です。
6枚目　大武口周辺は発電所やセメント工場が立地。それを通り過ぎると，急に，線路は右に左にカーブし始め，山に入っていきます。
7枚目　枣窝駅。この駅は，カーブ上にある駅で，駅長が，走り回って出発確認をしていました。古びた監視塔がいい味を出しています。
8枚目　次に停車したのは，廃駅の馬蓮灘です。駅舎などが全てそのまま残っていましたが，側線は全て撤去されていました。周辺も廃墟だらけ。女性1人乗車。

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9枚目　どんどん険しい山に入ってきました。ズリ捨て山も多くありました。
10枚目　大「石へんに登」溝駅。これは端っこの写真で，駅全体がわかる部分については，動画を撮影しているので，日本に戻った後に，動画をyoutubeにアップしようと思います。
11枚目，12枚目　廃駅　馬蓮灘　　線路より一段高いところに駅舎があり，きれいにのこされていました。窓サッシが塑钢になっているところからして，2005年頃までは使われていたのではないのかと推測されます。側線は全て撤去，周囲は廃墟だらけ，乗降客無し。

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13枚目　SS3牽引の貨物列車と離合
14枚目，15枚目　呼魯斯太駅。山間区間では最大の駅でした。駅前には，白タクやら出迎えの車，バイクが多数。当路線・列車が，現地住民の主要な交通手段となっていることがわかります。青色の壁のようなものは防砂フェンスで，駅の建物自体はその中にありました。
15枚目　呼魯斯太駅裏には，セメント工場が立地。

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17枚目　肝心の部分が架線柱にかぶられてしまったのですが，このセメント工場の中には，ナローゲージのトロッコ線らしきものがありました。解明してみたいものです。
18枚目　停留所。周囲は一面の荒れ地であり，5，6人の下車客がどこに向かうのか非常に興味があります。元から停留所なのにもかかわらず，丁寧にも，站台が設けてありました。
19枚目　柳樹溝駅。草原の中にぽつんとある駅で，周囲には何もありません。ここから先が，急勾配区間になっていて，この駅には，汝箕溝方向に，入線列車用の安全側線が設けてあります。しかもこの安全側線が，20メートルほどのそういう格好のものではなくて，草原をぐるりとカーブする約2キロもある本格的なものとなっています。下り坂を下りてくる列車は，安全測線の手前で必ず停車し，入線信号が開通するのを待ちます。
20枚目　柳樹溝駅をでて，上り坂を登ってゆきます。

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21枚目　山中をトンネルでぶち抜きます。わりあい高規格の路線です。
22枚目　白「くさかんむりに及」溝駅
23枚目　白「くさかんむりに及」溝駅裏にはまたもセメント工場。こんなにも交通不便な山間地なのにもかかわらず，本当に多くの工場が立地しています。計画経済時代のなごりですね。
24枚目　停留所。駅ではないにもかかわらず，側線が1つあり，貨物扱いのための広いスペースが設けてありました。鉄道地図にも駅としての記載は一切無く，77年の時刻表でも※停留所扱いなので，側線がどういう扱いで設けられているのかは不明です。

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25枚目　汝箕溝駅到着！ホームの様子
26枚目　汝箕溝の駅舎全景。新旧2つの建物からなっています。
27枚目　汝箕溝駅に停車する慢車。
28枚目　汝箕溝駅の向こうを望む。あちらに終点がある（はず。遠かったので見てきてません。奥にセメント工場があるのがわかるので，おそらくそこへの引き込み線が終端なのでしょう）

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29枚目　帰路へ。これが，柳樹溝駅手前の安全側線です。もしも，列車が，この直前で一旦停止できなければ（＝ブレーキ系統に問題あり），安全側線をぐるりと回って停車する仕掛けです。動画を撮影しているので，日本に戻った後に，youtubeにアップして紹介しようと思います。
30枚目　銀川駅に到着しました。

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終わりが見えなくて焦っているので，写真の説明は後回しにして，とりあえず，次の列車に移らせてくださいm(_ _)m

7511次　銀川→平涼
編成は，SS3+5YZ+3YW　25B主体で，22型は数両のリニューアル車が混ぜられているのみ。現地にて判明した事実として，この列車は，崇信・平涼南－蘭州のK9663,K9664列車，蘭州－武威南7505,7506列車と共通の運用を組んでいます。3列車で組んでいる上，平涼側の起終点が平涼南と崇信とに分かれているおかげで，サボはもはや意味不明の域に達しています。

各駅に停車していきます。包蘭線の区間ではかなりのスピードを出すと共に，この区間は，単線の幹線ゆえ，草原のど真ん中ながら駅が多数あり，往事の中国幹線の雰囲気を感じさせます。それなりの乗降があり，特に，中衛，宝中線の区間で多数の乗車がありました。終点近くで，20～30分の停車を繰り返すなど，急に遅くなります。宝中線は山岳路線で，非常に多くのトンネルがありました。

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1枚目　サボ
2枚目　途中駅
3枚目　中寧までの区間は，一面の草原と遠くに見える山脈がつづきます。開放感あふれる風景です。
4枚目　途中駅で見かけた「水罐车」　1両だけで留置されており，駅の井戸？水タンク？とホースでつながれていました。何の用途なのでしょうか。もしかして，駅の周りに水源が無く，生活用水を定期的に運んできているのでしょうか。

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5枚目　同上　また，他のタンク車と違い，缶の随所に突起物があるのも不思議でした。
6枚目　宝中線にはいってすぐ，黄河を渡るのですが，その手前に乗降所（「大橋」）がありました。奥に見えるのは武装警察の監視棟
7枚目　車内
8枚目　山岳路線

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9枚目　六盆山隧道口乗降所。この列車は，長距離列車と共通運用を組んでいるだけ会って，車内放送が非常に良く充実しており，乗降所についても案内していたので，名称が判明しました。
10枚目　無事，平涼駅到着。この列車は，南駅まで，さらに1区間走行し，蘭州行きとして折り返します。

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6074次　平涼→宝鶏
編成は，SS8+8YZ25Bという，オール25Bの編成です！近い将来の緑皮車はみなこの姿になるのでしょうね。実際見てみると，現代的でわるくないなと思います。もとから，22型とユニット窓はあまり美しくありませんし。

距離は203キロと短い区間で，半日で走り抜けてしまいます。途中，安口窑から，安口南に1区間だけの支線が延びていて，てっきり，この区間はもう客運は廃止かとおもっていたら，なんと，この列車は，このいかにもディープな盲腸線に入線するのでした。分岐は安口窑の南に三角線形式であり，列車はここで方向転換することになります。

1枚目　平涼駅に停車中の6074列車。オール25B編成は直線的。
2枚目　オール25B編成がよくわかる1枚。現代的でわるくないかも
3枚目　途中で離合したSS3
4枚目　安口南に向かう。向こうに見えるのは三角線の他の1辺。安口南では無駄に25分停車。

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5枚目　途中駅
6枚目　途中駅